オンライン証言会

どこからでも参加可能なオンライン証言会を開催しています。

Skype(無料アプリ)を使って

パソコン、スマホで、どこからでもご参加いただけます。

 

被爆者の方から被爆体験を聴き、

意見交流を行います。


証言会の内容


2021年5月2日 交流会

質問を予め用意し、被爆者一世、二世の方にお答えいただく方式を取り入れました。

 

 

《体験を通して思うこと》

原爆投下後、友人を探して市内に入った時に少女から「お水ちょうだい」と言われ、何も感じずにそのまま通り過ぎたことが、今も心の痣になって残っている。ある日、「長い間戦争をしていると涙も出なくなる」という戦争体験者の話を聞き、戦争の恐ろしさを知った。ベトナム戦争の最中にソンミ村で老人、女、子どもがみな殺されたときの写真を当時の朝日グラフで見て一番ショックだったのは、首だけの村民を抱えて笑っている米兵の異常さだった。これらのことが私の戦争反対の1番の根拠になっている。戦争は人間性を失わせると思う。(森匡世さん)

 

 

《現在の社会について》

今の日本社会は、自分だけが良ければよいという、冷たい分断社会になっていると感じる。また、日本はアメリカの核の傘の下にあって、核兵器禁止条約も批准しない。アメリカに基地を提供し、莫大な思いやり予算も出している。アメリカに従属して、日本を守って下さいとすり寄っている。独立国として、また唯一の被爆国としての尊厳をもってほしい。「台湾有事」が言われている今、自衛隊がかり出されるのではないかと心配している。憲法の改正がいわれているが、戦争放棄をうたった憲法9条を堅持してほしいと切に願う。(森匡世さん)

 

今の日本の世の中や政治を見ていておかしいと思うことは、国会での審議時間が短くなってきたことだ。大事なことが国民が知らないうちにいつの間にか法律になり、新聞の小さな記事で決まったことが伝えられる。どのような経過でそうなったのかの報告も知らされないし、それが実際に合っているかどうかの点検もない。(末政サダ子さん)

 

 

《教育について》

平和教育が型にはまっていて、通り一遍で終わっていないだろうか?もっと生活に目を向けて、相手への優しさなど身近なことから考えてみてはどうだろうか?「平和」の中身を考えてほしい。日本の現状をしっかり見て掘り下げてほしい。議論して自分の意見をもってほしい。(森匡世さん)

 

 

《若い人にのぞむこと》

戦争がないということが1番の平和だ。戦争はだめだという教育を小さいときからしないといけない。平和とは一口ではいえないが、今の平和は真髄をついていない。人間が全殺しになる核爆弾がまだまだある。今の政治家は自分の懐を肥やすことばかり。昔は戦争、今は政治家が問題だ。政治家の言われるままに戦争に入っていったかつてのようなことが二度と起きないように、世界と手をつないで、政治家にものをいえるような団体があればと思う。戦前、戦後の苦労を経験してきた私たちからかつての経験を引き出してほしい。これからの日本はあなたたちにかかっている。過去の経験に学んで、アメリカに媚びへつらわず、戦争をしないようにしてほしい。(末政サダ子さん)

 

当時3歳だったので、被爆時や戦時中の記憶はない。15歳のときに再生不良貧血症で原爆病院に入院した。語り部として子どもさんと話していると、日本の近現代史について学ぶ必要を感じる。また、核の威力や影響について多くの人に知らせる必要があることを痛感している。昨年からはコロナの感染拡大によってできていないが、平和公園でパネル展を行うと、こんなにひどかったのかと驚く方が多い。世界のトップの人たちに広島・長崎に来てその実態を見て、自分の家族や国民がこういう目に遭ったらどうなるかを考えてほしい。いじめやネット上での中傷なども危惧している。交流会に参加されている皆さんには、ここで学んだことの一つでも周りの人に語り伝えてほしい。そうすれば立派な伝承者だ。被爆者の平均年齢が83歳を過ぎ、最近、近しい人が二人亡くなった。皆さんの力を貸してほしい。身近なところから平和について考え、どうしたらみんなが仲良くできるか深く考えてほしい。そのうえでは教育が大事だと思う。見るだけ、聞くだけでなく、アクションをおこして、伝えていってほしい。また、選挙の投票率が非常に悪いが、今の政治にも興味・関心をもってほしい。(信重英昭さん)

 

質問を読んで、「全面的に寄りかかるのではなく、自分はこう思うけどどうでしょうか?」という質問をしてほしいと思った。日本の現代史をもっと勉強しないといけない。なぜ戦争が起きたのか、かつての戦争は日本が満州を植民地化したことが発端になっている。南京事件では中国人の虐殺が行われている。戦争で殺された学徒については『きけわだつみの声』を読んで、多くの若者が夢を断たれて死んでいったことについて議論してほしい。戦争は絶対にしてはいけない。そのために何ができるか、それを若い人たちが自分のテーマにしてほしい。(森匡世さん)

 


参加者の声

お話から、やはり子ども時代の教育が戦争に向かうような内容であったこと、天皇陛下のために戦争に行くことが素晴らしいと教えられていたこと、戦時中の教育が確実に子ども同士の関係(上級学年の子が下の子を往復ビンタするなど)に影響を与えていたことがわかり、恐ろしいと感じました。しかし今もその頃とあまり変わっていないかもしれません。教育勅語のような明確なものはありませんが、個々の個性を伸ばしていく子どもたちのための教育ではなく、今の日本に適する人材を育成するための教育である点は、戦時中と同じではないかと思います。今はありがたいことに、戦争を体験された方から直接お話を聞き、その時代の教育と今の教育を比較することもできるし、戦争に向かう社会の動向にも敏感になれています。しかし、いずれは戦争を知らない私たちや私たちの親、子どもたちがこの社会を戦争のない社会に作り上げないといけません。(教育学部院生)

 

森さんのお話では「頼り切るのではなく、自分の考えを持った上で質問をしてください」という言葉にドキリとし、その通りであるなととても納得しました。自分自身、現代史や戦争に関する歴史など、勉強が足りないと感じているので、精進していきたいなと思います。また、直接自分の意見を持った上でお話をお伺いしたいです。(医学部4年生)

 

自分に今できることは、一つでもいいから学んだことを周囲の人に伝えることだと思います。お話にあったように、伝えることが語り部の活動になる。戦争や原爆の問題に接する人を周りに増やしていって、そのなかから一緒に活動できる人がでてきたらよいと思う。(医学部2年生)


過去の証言会

〜アーカイブ準備中〜

 

2020年

5月3日  リハーサル 13名参加

5月9日 第1回 証言者:日高敦子   13名参加

5月16日 第2回 証言者:信重英昭   12名参加

5月24日 第3回 証言者:佐々木佐久子 18名参加

6月13日 第4回 証言者:末政サダ子  15名参加

6月21日 第5回 証言者:本谷量治   11名参加

7月11日 第6回 証言者:日高敦子   15名参加

7月12日 第7回 証言者:篠田 恵   11名参加

8月 2日 第8回被爆証言・全国交流会     25名参加

        被爆者:末政サダ子、日高敦子、信重英昭

        被爆二世:佐々木佐久子、中島朗

        北海道から九州まで全国各地から小中学校教員、看護士、介護士、理学療法士、被爆二世、

        留学生、社会人、大学生、医学生が参加

10月25日 第9回 証言者:味埜正明   10名参加

11月15日 第10回 証言者:眞木淳治   15名参加

12月20日 第11回 一年間の振り返り      18名参加 

        被爆者:日高敦子、信重英昭

        被爆二世:佐々木佐久子、中島朗

        5月以来10回におよぶ証言会の内容、運営についての意見交流

 

2021年

1月17日 第12回 証言者:宇都宮功   16名参加

2月14日 第13回 証言者:野曽美智子  23名参加

4月11日 第14回 証言者:中野秀子 23名参加

 

5月2日 第15回 交流会

6月13日 第16回 証言者:被爆者・信重英昭、被爆2世・佐々木佐久子、藤井千鶴 22名参加

7月11日 第17回 被爆体験記の朗読と交流

8月 1日 第18回 平和についての意見交流

8月29日 第19回 証言者:瀧口裕子 18名参加

11月14日 第20回 証言者:本谷量治 18名参加

2022年

1月16日 第21回 証言者:石津ユキエ 10名参加

3月21日 第22回 証言者:森 匡世  16名参加

5月22日 平和活動交流会(第23回) 17名参加(全国7大学の学生団体や個人の活動経験を交流)

 

6月19日 平和活動交流会の振り返り 7名参加(半年に1回程度開催していくことを確認)